「五月は好い月、花の月」 牡丹の花から春たけなわに

画材から調度、食べ物にも用いられて

与謝野晶子が「五月礼讃らいさん」の中で次のように歌った花の月、五月。

五月は好い月、花の月、
芽の月、香かの月、色の月、
ポプラ、マロニエ、プラタアヌ、
つつじ、芍薬(しゃくやく)、藤、蘇枋(すはう)、
リラ、チユウリツプ、罌粟(けし)の月、……(まだまだ続きます)

草木の色が次第に濃くなっていくのと同時に、冬季の間、この月が来るのを待っていたとばかり、次々と色鮮やかな花々が開花していきます。

最初に咲くのはピンクのボタン

最初に咲くのはピンクのボタン

そのトップバッターとなるのは、目が覚めるような色の薄い花びらを幾重にも重ねた大ぶりで豪華な牡丹です。

中国原産で「花の王」として深く愛され、日本でも絵画や着物・陶磁器ほかに描かれてきています。一方、古くから漢方薬の原料にもなっているそうです。

食べ物にも牡丹が付いたものがあり、その代表は牡丹餅(ぼたもち)。牡丹の咲く春の彼岸に供えられる、食べられるお菓子というのがその意味合いだそうです。

画材から調度、食べ物にまで用いられてきたボタン

画材から調度、食べ物にまで用いられてきたボタン

与謝野晶子は「牡丹の歌」の冒頭で、以下のように歌っています。

おお、真赤まつかなる神秘の花、
天啓の花、牡丹。
ひとり地上にありて
かの太陽の心を知れる花、牡丹。……

与謝野晶子はなんと情熱的で表現力が豊かなのでしょう!

牡丹に誘われるように咲くサツキやツツジ
ボタンに誘われるように咲くサツキ

ボタンに誘われるように咲くサツキ

庭先では、最初にピンクの牡丹が咲き、本格的な春を知らせてくれます。次に赤と白が咲き、牡丹に誘われるようにツツジやサツキが咲いて春たけなわの装いになってきます。

白の中に紅色が差したツツジも

白の中に紅色が差したツツジも

心が踊るような五月です。

以下、参照させていただきました。

青空文庫 「晶子詩篇全集」http://www.aozora.gr.jp/cards/000885/files/2557_15784.html

ボタン(植物) https://ja.wikipedia.org/wiki/ボタン_(植物)

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