
サラダミックスの種の中で生き残り増えたチコリが今年も花を咲かせて
今年もチコリの青い花が咲きました。
梅雨のどんよりとした曇り空にすっきりとしたブルーはよく映え、さわやかな気持ちにさせてくれます。
このチコリは、一昨年、「野菜の種 リーフレタスほか何種類かミックス」といった名前の種をまいたところ、サバイバルレースに勝ったかのように残り、放っておいたのにもかかわらず広範に広がっているもの。
無理もありません。他の野菜は一年草だったのに、チコリは宿根なおかつ種でも増えるのです。
原産はヨーロッパから中央アジアで、持ち込まれたアメリカでは雑草の中に生えているのが見られるそうです。
春先に発芽して5月にはとう立ちしてぐんぐん背を伸ばし、背丈を超えるほどの高さになり、分岐した茎の葉腋(ようえき)に次々と頭状花をつけます。

キク科の多年草で登頂花序。ブルーの花色は梅雨空に映える
頭状花序とは、主としてキク科の花に見られるもので、多数の花が集まって一つの花を形作るもの。進化の過程で複数の花がまとまってこうした形になったと考えられるそうです。
チコリもキク科で一つの花と見られるものは、実は花びらの数だけの花が集合したものということになります。
梅雨の晴れ間に似つかわしく、チコリは一日花で、朝開いた花は昼間には閉じてしまいます。
そんなチコリの花をEOS X7に単焦点広角レンズ EF-S24mmを装着して撮って見たところ、2つに割れためしべの先がくるりとカールしています。
早朝にはまっすぐ1本の棒状だっためしべは、太陽の光か気温の影響を受けて、8時頃にはすっかり8の字型に巻いているのです!

早朝、めしべは1本の棒状

一部めしべの先が割れているのが見える

8時にはめしべが8の時にカールしている
花々をハナアブが訪問してくるのはちょうどそんなころ。

チコリの花にやってきた花アブは花粉にまみれながら夢中で蜜を食べている様子
蜜や花粉を食べにやってきたハナアブが去ったときには、カールした柱頭はハナアブが持ってきた別の花の花粉にまみれています。

ハナアブの訪問でチコリの柱頭は花粉がたっぷり付着
チコリもまた種を繁栄させるための自家不和合性を備えていそうです。
独特な苦味のあるチコリですが、主として軟化栽培の葉はサラダなどに、根はコーヒーなどの飲料に用いられています。根はイヌリンを含み、食欲増進・利尿・消炎・肝臓強壮などの薬理作用を持っているようです。
エディブルフラワーであるチコリの花はサラダなどで利用できそうです。
まだ馴染みが薄いハーブですが、工夫をすることでさまざまに役立てられそうです。
参考