
日本の歴史公園100選にも選ばれている山梨県甲斐市竜王の信玄堤・釜無川スポーツ公園。紅葉の桜並木はライトアップが行われる
いつか行ってみたいと思っていた信玄堤。
身近なところにあった信玄堤は、歴史的にきわめて価値の高い史跡を含みながら、釜無川などの自然と調和した整備が行われ、景観美と実用性を備えた見どころもたっぷりな信玄堤・釜無川スポーツ公園に隣接していました。
甲斐市の釜無川沿いに約3キロメートルに渡って細長く続く信玄堤・釜無川スポーツ公園は、日本の歴史公園100選・美しい日本の歴史的風土準100選に選ばれているそうです。

約3キロメートルに渡って続く歴史的資産を守り、市民の憩いの場としての機能も備えた人気スポットの信玄堤公園
公園入り口付近には、信玄堤を含めた信玄公の治水についてなど、史跡の説明掲示が複数設置され、歴史をひもときながら史跡を巡る助けになってくれます。

信玄堤と御勅使川・高岩についての案内板

釜無川ゾーン 信玄堤エリア総合案内
かつては、直進して流れる暴れ川の御勅使川(みだいがわ)が直角に釜無川に合流する地点で氾濫を引き起こしていたので、信玄公が数々の治水施工によって緩和させ、最後にその流れを受け止めるようにしたのが信玄堤。
この信玄堤にも、霞堤(かすみてい)・聖牛(せいぎゅう)など、急流を和らげる施工が成されています。

流れを緩和させる聖牛の説明

復元された聖牛

釜無川の中に残る復元された聖牛。上部がなくなったものも、下部が水中に沈んだ形で機能しているという
さらに、江戸時代には、治水をさらに強固にするために、防水林としてケヤキやエノキを植樹。
この防水林は現在にまで残って大きく成長しているものもあり、信玄公の威光を今に伝えています。

江戸時代に植えられたケヤキやエノキの防水林が今も残る

昔からの防水林を生かして整備された公園は紅葉も美しく
史跡を守りながら、これらと調和した形で植栽や整備が行われている公園の景観はまた見事。
大きく育った桜並木の間からは薄雪化粧をした富士山が見られます。

信玄堤公園から見られる富士山
ケヤキやエノキの防水林を縫って流れる小川は、夏にはホタルが飛び交うようです。

夏にはホタルが飛び交い、魚のつかみ取りも行われて、市民の憩いの場に
公園内を巡る小径は散策などにも打って付け。時折ジョギングの人も通りかかります。

紅葉が見事な土手を散歩やジョギングの人が行き交う
芝生の広場では、ボール遊びをする子供たちも。
桜並木は桜開花と紅葉シーズンにはライトアップが行われているそう。

ライトアップが行われている紅葉の桜並木。遠方に八ヶ岳を望む
水流は魚のつかみ取りができるようにも整備が行われ、週末には大勢の人でにぎわっているそうです。
信玄堤によって流れを緩和された釜無川の水は、また、竜王用水として公園入り口から引かれ、甲府盆地竜王地区を潤し、現在に至っています。

信玄堤公園を出たところにある竜王用水取水口。遠方に富士山を望む

紅葉も美しい信玄堤公園内の取水口への用水

竜王用水の説明板
竜王用水取水口のすぐ近くにある三社神社(さんじゃじんじゃ)は、水防祈願を行うために置かれ、古くから4月15日に行われている「おみゆきさん」の最終地となっているそうです。

歴史を感じさせる三社神社の鳥居

鳥居の奥にある三社神社は、「おみゆきさん」の最終地
機会を見て、御勅使川からの治水史跡を探訪してみたいものです。
参考
サイトを訪問してくださり、ありがとうございます。以下画像素材ほか、次のリンクより入手していただけます。下の画像のほかは、画像下の(c)Hanaからご覧いただけます。