北海道から日本海側にかけて分布するザゼンソウの群生地が、太平洋側では珍しい甲州市塩山玉宮地区にあり、開花しているというので行ってみました。
群生地には3000株ほどが自生。
甲州市は群生地近くに玉宮ざぜん草公園を作り、駐車場も整備されたことで、訪れる人が増えているようです。

甲州市塩山の玉宮ざせん草公園の休憩所付近
公園の眼下に見える竹森川にかかる橋を渡って、杉林の中を5分ほど進んでいくと、沢沿い作られた木道が見えてきます。
木道の周辺には、野生動物からザゼンソウを守るために電流線が張り巡らされています。

杉林の中のザゼンソウ群生地には木道が作られている
咲いていました! ザゼンソウが、エリアの中の落ち葉の間から顔を出してあちらこちらに。
まさに群生地です。
ザゼンソウというのは、僧侶が座禅をする姿に似ているところから来ているとのこと。
達磨大師が座禅をする姿に似ているとして、ダルマソウとも呼ばれているそうです。
ミズバショウとは同じサトイモ科ですが、ザゼンソウやダルマソウという命名は、花の色が袈裟の色に見立てられたということなのですね。
えんじ色の神秘的な色の花で、高貴な感じがします。
神秘的なのは、色や形ばかりでなく、開花のメカニズムにもあるそう。
開花するときに発熱が起こり、周りの雪を溶かして雪の上にいち早く顔を出すことで、この時期には少ない昆虫を引き寄せて受粉を円滑化するというのです。
発熱時には悪臭も発して、虫をおびき寄せているそうです。
ザゼンソウの発熱により雪解けが起こり、そこからせせらぎが生じるという早春のドラマも。
北米にも分布するザゼンソウは、同地では19世紀、その薬理作用を利用し治療に用いられていたとのことです。
珍しいザゼンソウを観察でき、山里の春の訪れとその息吹を肌に感じ、貴重なひとときでした。
玉宮ざぜん草公園からは小倉山・上条山への登山もでき、早朝からの登山を終えて戻ってきた人たちの姿も見られました。
晴天に恵まれ、南アルプスや富士山の絶景も楽しめたそうです。
温泉に入って汗を流して帰路に就くとのことでした。

玉宮ざぜん草公園・小倉山ハイキングマップ
いつか行けるといいのですが……。
参考
サイトを訪問してくださり、ありがとうございます。以下画像素材ほか、画像下の(c)Hanaのリンクより閲覧・入手していただけます。