
樹高10.3m、幹囲11.8m、枝張り東西17.3m・南北13mの大きさの中に均整が取れてる姿に圧倒されずにはおれない山高神代桜
国指定の天然記念物であり、福島県の三春滝桜・岐阜県の淡墨桜と並び、日本三大巨桜の一つとされる山高神代桜が山梨県北杜市にあるので、満開と晴天のタイミングを選んで撮影に行ってきました。
山高神代桜は、北杜市武川町山高の実相寺境内にある、樹齢1800年とも2000年とも言われているエドヒガン。

桜に彩られた実相寺境内
伝説によれば、日本武尊が東征の折に植えたと言われ、これが神代桜の名前の由来になっているとのことです。
13世紀、この木の衰えを見た日蓮聖人が回復を祈ったところ再生したというエピソードから、「妙法桜」とも呼ばれているそうです。
何度も枯れそうになる危機に見舞われながらも、脈々と生命力を維持してきた裏側には、桜を守り育んできたその時代・時代の人々の思いや叡智が秘められています。
2002年からは、武川村教育委員会が日本花の会に樹勢衰退の原因調査を依頼し、根元の環境改善を計ったことで、樹勢が回復しているとのことです。
2008年から2009年には、山高神代桜含めた14種の花の種が国際宇宙ステーションに8ヶ月半滞在し、無重力に耐えた後に地球に帰還し、発芽したのが宇宙神代桜として公開されたというのも有名な話。
実際に目にして、樹高10.3m、幹囲11.8m、枝張り東西17.3m・南北13mの姿に触れてみて、その生命力の偉大さ、悠久の歴史を感じさせる偉大さや崇高なまでの美しさを体感できたことでした!
実相寺境内には、山高神代桜の他に、ソメイヨシノ30本、全国の名桜の小桜が植えられていて、境内を彩っています。
名桜の小桜の存在はからは、山高神代桜を育んできた実相寺の歴史とともに、各地の桜との友好や親善の厚さをうかがわせるものでもあります。

全国の小桜の一つ、身延山久遠寺のしだれ桜の小桜。身延山久遠寺のしだれ桜は、全国しだれ桜10選の一つ
広い境内にはラッパズイセンが8万株植えられていて一斉に開花し、訪れる人たちを楽しませてくれていました。
春霞の多いこの時期でしたが、幸いにして、うっすらとした中に冠雪の南アルプスの峰々も姿を見せ、桜とスイセンの共演にいっそうの彩りを添えてくれていました。

スイセンと桜の背景にうっすらと南アルプスが姿を見せている

端正な形の甲斐駒ケ岳と桜・スイセンの共演も
1本の桜がいかに人々を魅了し、人と人との絆を育んでいく可能性を秘めていくものであるかーー偉大な生命力を感じさせてくれる象徴とも言えるような、この山高神代桜。
県内外から訪れた数多くの人々も、この上ない景観を満喫している様子でした。
参考
神代桜・地図
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