
電線に一列に並んで留まった野鳥は初めて目にする姿と声の持ち主でした
9月に入ると、菜園のイネ科の雑草に急に一斉に種が付き始めました。
まるで、示し合わせたかのように。
植物は、自らの体内時計で日照時間の微妙な変化を感知しているのでしょう。
7月〜8月、猛暑の中での除草は本当に大変でした。
つい先日、除草をしたので一安心と思っていると、さまざまな雑草は土の中にわずかに残った地下茎から瞬く間に発芽して根を四方八方へと広げ、あっという間にそれぞれ固有の種をつけているではありませんか!
猶予はできません。
何日かかけて手入れをして、秋から冬の菜園の準備をします。
秋ジャガイモと大根は9月初旬までに種まきを終えなければいけないので、急ごしらえの菜園に急いで植えつけたその日の夕暮れ、菜園が鳥の鳴き声でいつになくにぎやかです。
菜園の柿の木にでもスズメの群れが留まっているのかと思ったら、声の元は、菜園が面した道路脇を走る電線でした。
聞きなれない声です。
見上げれば、100羽以上の野鳥の群れが、ヒヨコのような、ピッコロの奏でるような声でさえずっています。
スズメより一回りほど大きく、お腹が白っぽく、体が黄色がかってもいるように見えます。
でも、よくやってきていて春には庭先の松の木で営巣もしたカワラヒワとは違うようです。
この子たちは一体誰?
カメラを取って戻ってくると、まだ留まっていてくれました。
ちょうど望遠レンズを付けていて、シャッター優先モードにしてあったので、レンズを向けます。
ズームをして観察してみますが、やはり見たことのな野鳥です。
菜園に向かって一列に留まっているのは、耕したばかりの菜園が目的なのかと思えるような状況。
野菜作りを初めてしたときのこと、小松菜の種を蒔いた翌朝、ヤマバトがやってきていて、その後、何日かしても小松菜はほとんど発芽しませんでした。

ズームしてみると、クリーム色の頭部やグレーの羽、黒いくちばしなどが見えてきます
土を被せてあるのに、掘り返して、ヤマバトが全部種を食べてしまっていたのです!
鳥の感知能力の高さには舌を巻きました。
その事件を思い出しました。
その後しばらく、種まきをした後は、発芽するまで刈り取った草で覆ったりしていました。
さて、その見たことのない野鳥の群れに向かって望遠レンズを向けて間もなく、野鳥たちは一斉に西に向かって飛び立っていってしまいました。
夜、画像を元に、野鳥の名前を調べるのですが、なかなかヒットしません。
頭部がクリーム色で白いお腹、グレーの羽で……。
その後、ふと頬に茶色の斑点があることに気づき、それを元に検索すると、ありました!
コムクドリです!
斑点があるものとないものがいるので、種類の違った野鳥が群れているのだろうかとも思ったのですが、斑点があるものはオスだと判明。
愛らしい鳥です。
野鳥といえどもみなそれぞれ固有の姿や特徴を持っていて改めて感動します。
調べてみると、千島列島・サハリン南部・日本で繁殖して、冬季はフィリピン・ボルネオ島北部などに渡りを行うとのこと。
渡りのときには群れを作るということですので、その過程だったということなのでしょう。
もう少し留まっている姿を見ていたかった。
できればもっと寄った姿を撮影したかったですが……。
平地から山地の明るくひらけた林に生息する野鳥のようで、いいタイミングで出会うことができました。
蒔種から3日後、早々と大根が無事に発芽してくれました!
愛らしいコムクドリたちは、今どこにいるでしょうか?
体重が小さな鳥ほど渡りの距離は大きく、ノンストップで非常に長い距離を飛行する渡り鳥もいるようですが。
まだ時期的には早いような気もしますが、目的地にたどり着いているでしょうか、知りたいものです。
参考